失恋は辛いですよね。誰だって落ち込みます。
一言に失恋と言っても、告白にOKがもらえなかった、お付き合いが始まってから「思ってたのと違う」、ゴールイン間近で浮気をされてしまったなど、例はいろいろ。
失恋の落ち込み気分から長引き立ち直れないと、「うつ症状」と呼ばれ、酷い場合にはそれが「うつ病」に発展してしまうことも。
この記事では、失恋のショックからうつ病に陥りやすい性格をご紹介し、うつ症状とうつ病の差を説明します。
症状チェックリストであなたのうつレベルをまず知りましょう!
心のケア方法、体験談もあわせて書きますので参考にしてくださいね。
ではさっそく、いってみましょう!!
失恋でうつ病になる?
悲しいことですが、失恋してうつ病になることはあります。
うつ病の前段階、うつ症状は「心の風邪」とも呼ばれるように誰にでも発症する可能性あり。
軽度の内に立ち直れればいいのですが、重篤化してしまうとうつ病と診断されます。
うつ病を引き起こすきっかけ例
・学校や社内でのいじめ
・受験や仕事での失敗
・失恋や離婚
・家族や親しい友人との死別
・結婚や妊娠・出産
・昇進・栄転、進学・就職
・家の新築や引越し
このように、つらい経験ばかりではなく、はた目からは喜ばしい出来事であっても、心にストレスが生じれば、うつ病を引き起こすきっかけになります。
うつ病になりやすい性格(気質)
ストレスを受け、溜め込みやすい性格です。
・生真面目
・完璧主義、自分に厳しい、凝り性
・周囲に気を遣う
・繊細で純粋な心の持ち主
幼少期の経験―インナーチャイルドについて
生真面目で、自分に厳しい性格、周囲の反応に気を遣い過ぎる性格は、幼少期の体験から形づくられていることがよくあります。
・親が過保護で人生のレールを敷き、それに沿って真面目に生きるべきだと育てられた場合
・親から過剰な期待をかけられ、それに応えようと無理して育った場合
・気まぐれな大人の言動に振り回されて育った場合
こういう成長過程をたどった方は、ストレス耐性が低いのです。
アクシデントに弱く、レールを外れるのが恐いと感じ、他人の意見が気になってしまいます。
なぜかというと、心の中に傷ついたままの幼い自分が隠れているから。
例えば、幼少期に親や大人に、やりたいことをやらせてもらえなかったり、「期待はずれ」と言われたり、昨日はOKだったことが今日はダメと言われたり。
子どもはそんな心の傷を自分では処理できないので、心の中に封印してそのまま大人になります。
心の中に、傷ついた幼い自分が傷ついたままで潜んでいて、大人になった自分を生きづらくしている、というこの状態を、「インナーチャイルドが癒されていない」と言います。
傷ついたインナーチャイルドを持つ人は、うつに対抗する力が弱いと言っても過言ではありません。
インナーチャイルドについての詳しい記事はこちらをご参照ください。
\おすすめ記事/インナーチャイルドとは?特徴や癒す方法についても!
インナーチャイルドの癒し方も紹介してあります!
失恋がうつ病に繋がらないように、インナーチャイルドを癒すことで自己肯定感を高め、ストレス耐性を強く持つことが大切です。
失恋でうつ病になる?症状チェックでまずは把握しよう!
失恋してしまった方も、していない方も、まず、ご自分のうつ度チェックをしてみましょう。
普段の状態を知っておくことも大切ですから。
うつ症状チェックリスト
このチェックリストは「うつ病の診断」ではなく、あなたの心の状態を知るためのものです。
はい・いいえの二択で答えてください。
二択に割り切るのは難しいかもしれませんが、直感で自分の心に近い方を選んでください。
- 身体がだるいですか
- 「しんどい、疲れた、面倒」が口ぐせになっていますか
- 気が重いですか
- 音楽を聞いても楽しくないですか
- 夜より朝が、無気力になりやすいですか
- 騒音が気になりますか
- 会話に熱中したことはないと感じますか
- 首すじや肩がこって不快ですか
- 頭痛持ちですか
- 寝つきが悪いですか
- 睡眠が不十分なのに朝早く目覚めることがありますか
- 事故やけがをしやすいですか
- 食欲がなく味を感じないですか
- テレビや動画を見ても楽しくありませんか
- 息がつまって胸苦しくなることがありますか
- のどの奥に物がはさまった感じがしますか
- 自分の人生がつまらなく感じますか
- 何をするのも面倒ですか
- 以前にも現在と似た症状がありましたか
- 本当は活動的で几帳面ですか
あなたのうつ程度は?
「はい」が1-5個:
精神状態良好。
「はい」が6-10個:
精神的疲労がたまっている状態です。
休養をとって、ご家族や友人に今の状態を聞いてもらいましょう。
誰かに話すということはとても大事です。
少しでも楽になれるように心掛けてください。
生活習慣の乱れを整えるのも大切です。
学校でなら、保健の先生に相談してみるのも手です。
心と体の関係を教えてくれるインナーチャイルドセラピーやカウンセリングを検討してみましょう。
「はい」が11個-15個:
中程度のうつ状態。
かなりのストレスが溜まっており、心も身体もつらいと発信しています。
再度、心療内科やメンタルクリニックのサイトにある「うつ症状テスト」を試してみてください。
うつ状態は軽いうちに治療を開始したほうが、早く治りやすいので、さらに悪くなる前に精神科や心療内科を受診したほうがベストです。
日常生活では無理をせず、しっかり休養を取って、生活環境の改善に努めましょう。
「はい」が16個―20個:
かなり重度のうつ状態。
精神科や心療内科を受診し、一過性のうつ状態なのか、うつ病になってしまっているのか、診断を受けることをお勧めします。
うつ病は、誰でもかかる可能性がある脳の病気です。放置して立ち直れるものではありません。適切な対処が早急に必要なので、専門のお医者さんにご相談を。
筆者の結果
上のテストでは「はい」が7つ。
専門のメンタルクリニックの「うつ症状テスト」をいくつかやってみると、「中程度―重度のうつ状態の可能性があります」「うつ病の傾向が疑われますー早めに医師に相談しましょう」「軽度うつー一度受診してみましょう」という結果が出ました。
思ったより「うつ状態」なようです。
そういえば、かかりつけの医者に便秘の相談をしたら、「うつ症状のひとつだろう」と言われました。
「え、私って最近うつだったの?」という反応をしてしまったのですが、心当たりがあちこちに。
ストレスを感じながら生きているのだから、誰でも少しずつ「うつ症状」なのだと思います。
恐がらずに自分の気持ちを友人に聞いてもらいながら、普段の生活ルーティーンを整えていこうと思いました。
うつ病とうつ状態の違い
ではここで、一過性のうつ状態とうつ病との違いを確認しておきましょう。
うつ状態は、落ち込んだ憂鬱な気分でも、気晴らしをすれば少し改善します。
うつ状態の症状が2週間以上続くようなら、うつ病である可能性がぐっと高まるのです。
うつ病によくある症状
- 朝方、気分がすっきりとしていることが少ない
- どうしても悲観的に考えてしまう
- 今まで楽しめていた趣味や人づきあいが億劫になってきた
- 日ごろしていることに、満足感がもてない
- 無関心になる
- 涙ぐむ事がよくある
- 気分が沈み、ゆううつだ
- 著しい体重の減少(ひと月で体重の5%程度)、あるいは体重の増加があった
- これまで簡単にできていた判断や決断ができない
- 自分はダメな人間だと思う
- 自傷や自殺を考えてしまう
専門医の考える、うつ病とうつ状態の差
ここで、お医者様の使う比較リストを見ていただきましょう。
うつ状態の正式な名称が「抑うつ気分」です。右側のコラムがうつ状態、左側がうつ病になります。
うつ病と抑うつ気分の違い
うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害* | 抑うつ気分 | |
症状 | 強い | 弱い |
妄想 | 妄想的になることがある | 現実からずれない |
自殺 | 考えることがある | 比較的まれ |
日常生活 | 大きく影響され変化する | それほど大きな影響はなく変化も少ない |
状況からの影響 | よいことがあっても気が晴れない | よいこと、楽しいことがあると少し気が晴れる |
きっかけ | 多くはきっかけがあるが、はっきりしていないこともある | はっきりとした誘因がある |
周囲から見て | 理解できないことが多い | 理解できることが多い |
持続性 | 長く続く | 徐々に軽くなる |
抗うつ薬 | よく効くことが多い | 効かないことが多い |
仕事・趣味 | まったく手につかない | やっていると気がまぎれる |
引用:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引:日本語版用語監修日本精神神経学会 監訳 高橋三郎・大野裕 訳 染矢俊幸・神庭重信・尾崎紀夫・三村將・村井俊哉 医学書院, 2014
表を見てわかること
失恋というはっきりとした誘因があって、周囲の人も「ああ、フラれて落ち込んでるんだ」と理解してくれ、だんだん症状が軽くなる場合は「抑うつ気分=うつ状態」です。
そこからどんどん気持ちが落ち込んで、妄想に逃避したり、仕事も趣味も全く手に着かず、自分でもどうしたらいいかわからなくなって、自分なんていないほうがいいと自殺まで考えてしまうのが、「うつ病」。
ということで、うつ状態からうつ病に陥らないために、うつ病になってしまったら少しでも早く回復できるように、早めの心のケアが大切なのです。
失恋でうつ病になる?―心のケア
失恋して落ち込まない人はいません。
でもそのショックは緩和できます。
ここでキーとなるのはあなたの自己肯定感の高さ。
自分の良さを知っている人は、失恋して泣いても必ず立ち直ります。
心を守る失恋ショックの切り捨て方
失恋のショックは受け取らないでいいのです。
切り捨ててください。
どんな屁理屈をつけてもいいのです。
失恋したのはあなたに魅力がないからではありません。
他の理由があってうまくいかなかったのだと、自分の心に納得させてください。
告白時
好きな人に告白して振られたら、自分を全否定されたと感じる方も多いかと思いますが、それは全くの勘違い。
「好みが合わなかっただけ」「縁がなかっただけ」「タイミングが合わなかっただけ」など、そこにはいろいろな理由が重なっているのです。
「自分には魅力がないんだ」と自分の自己肯定感を傷つけるのだけはやめましょう。
「ああ、あの人はわたし用じゃなかったのね。運命の人はどこか他にいてくれるんだわ」と思えるように努力してください。
「私の魅力がわからないなんてバカな男」と思ってもいいくらいです。
ステキな男性は「好きになってくれてありがとう、でも君は僕にはもったいない、もっといい人がいるよ」と言ってくれます。
告白するというその決心と大変さを知っているからです。
気が済むまで泣いて、次へ行きましょう。
付き合ってからの失恋
お付き合いを始めてからの失恋は、「ゲンメツした」と言われたり浮気されたり、告白時の失恋より痛手が大きいですよね。
ゲンメツするのは、相手があなたに幻想を抱いていて、あなた自身を見てくれていなかったからです。
それは相手の問題で、あなたが悪いんじゃない。
浮気男ももっての外、その程度の男だったということです。
結婚目前の破局
結婚目前で振られたら、相手の男性に結婚に踏み切るだけの甲斐性が無かったのでしょう。現代男性あるあるです。
それはあなたのせいじゃないですよね。
家族や仕事の関係で、両想いなのに引き裂かれてしまったとしたら、自分を悲劇のヒロイン認定していいですから、いっぱい泣いて乗り越えましょう。
本気で愛し合ったとわかっていれば、涙が止まった時にはあなたは、一回りいい女になっています。
このように、失恋と自己肯定感はリンクしてないんです。
リンクさせてしまうから必要以上につらいのです。
失恋したら人格を否定された、生きてる価値もない、なんて感じるほうがオーバーリアクション。
「相手が好きで好きで、その人に否定されたら自分は無に等しい」なんて考え方は、ロマンチックではありますが、自分を投げ捨てて恋に酔っている、前時代の乙女の思考です。
失恋は、頭ではそうわかっていても、どうしても自分を責めてしまう点が恐いところですよね。
うつ状態の心のケア
筆者のうつ状態が一番酷かった時の話を聞いていただきましょう。
その頃は、朝起きれず仕事にももちろん行くことができず、食欲もなく。
仕事から帰った彼は私がベッドから出られていないのを見て、「がっかりだ」と呟きました。
それでも自分一人ではどうしようもなかった。
次の休日に彼は私を問答無用で海辺に連れて行って一緒に歩いてくれました。
やっとトースト1枚と紅茶を口に入れることができて、その後急速に食欲が戻ってきて。
「人生の目標を見失ったんだろ?」
彼はそう言って、自分が買いたいと思っている海辺の町の不動産物件に案内してくれました。
「一緒に住みたい」と言ってくれて。
その後はだんだんよくなって、上のテストでも現在7個しか「はい」がありません。
その当時の自分がテストしたら「はい」の数は15個です。
筆者の体験他から引き出せる、うつ状態改善のアドバイス
・言葉にしていない恐れや失望が心の中にあるはずです。言葉にしてみましょう。聞いてくれる相手は、友人、親、カウンセラーさん、誰でもいいですから、話しやすい相手に。
・現在の自分の心の動きは、子供のころに起因していることがあります。あなたのインナーチャイルドをケアしてみませんか? 筆者は親に見捨てられそうになった経験があったから、彼の愛情を試すような行動をとってしまったのかもしれません。
・日常生活のルーティーンを保つことがとても大切です。朝起きれず夜眠れないなら、ちょっと無理してでも昼にお日様に当たるべき。パソコンなどのブルーライトも睡眠を阻害するので、節度をもって使用しましょう。
・食べれない時につまめる食べ物を知っておきましょう。筆者の場合は、リンゴとチェリートマトでした。それだけでも口に放り込むことができていたら、何とかなります。
・都会暮らしの方は田舎に小旅行して、海や山、空を眺める時間を取ってみてください。うつ状態が重くなると、美しいものを美しいと感じる心まで萎えてしまいます。
・自分より弱いもの、ペットの世話をすることが支えになることがあります。命の温かさとモフモフの癒し!
・早めにチェックして専門医に相談しましょう。自分のうつ状態がこれほど悪くなっていると当時自覚できていたら、彼氏の重荷になることもなかったです。
失恋でうつ病になる?私の体験談!
(東京都30代の女性Aさんの体験です)
私の場合、失恋が引き金に、さらに過労が重なってうつ状態になりました。
3年付き合っていた彼氏が他の女性と歩いているのを見てしまい、問い質したところ、「お前は重過ぎる、息が詰まる」と言われました。
漠然とですがその人と結婚を考えていただけにショックでした。
別れることになり私は仕事に没頭しました。
その時は、自分は失恋の痛手を克服していると感じていたのです。
職場にいれば泣くこともなく、理性的でいられたので、時間的にも量的にも仕事ばかりしていました。
ある日上司に「頑張り過ぎだよ。周囲の者が困っているから少し手を抜いて」と言われました。
上司としては私の身体を労ってくれての言葉だったのでしょうけれど、私の中では、彼氏に言われた「重い、息が詰まる」という言葉と重ねてしまったのだと思います。
急に会社に行くのが恐くなりました。
その時は恐いという意識はなかったのですが、毎朝会社に行こうと思うたびに、そういえば頭痛がする、肩がこっている、耳鳴りがする、生理痛がひどい、などなど、次から次へと体調不良を感じました。
次第に夜眠れず朝起きれなくなり、会社に欠勤の連絡を入れるのも恐くなりました。
カーテンを閉め切り、電話が鳴らないように設定し、テレビもつけることができず、昼間はだらだらと眠り、夜は目が冴える毎日です。
その頃、近くのメンタルクリニックで話を聞いてもらったのですが、失恋のことはもう頭になかったので話さないでいたら、過労からくるうつ状態と診断され、睡眠導入剤だけ処方してくれて様子を見ようということになりました。
私の精神状態はそれだけでは改善せず、体重がどんどん減っていったので、カウンセリングを受けることになりました。
つらかったこと、イヤだったことを話そうと思っても、ただ涙が出るばかりで言葉になりません。
そのまま号泣して過呼吸発作を起こしてしまいましたが、カウンセラーさんはゆっくり時間をとってくれました。
その後何度かカウンセリングを続けるうちに、私のうつは過労ではなく「失恋うつ」であると判明しました。
また、子供のころの経験から、私は「他人が自分から離れていくことを恐れている」ことがわかりました。
だから相手に尽くしたり、役に立つところを見せて、他人を繋ぎ止めようとしていることにも気づきました。
このカウンセリングのおかげで、私は変われると思いました。
失恋から2年8か月過ぎ、まだ通院を続けていますが、ソフトランディングの仕事復帰を考えています。
体験談から引き出せること
失恋によるうつ病と、過労からのうつ病は、専門医のアプローチも少々異なるみたいです。
心の病は、当事者であるAさんにも何がきっかけだったか、わかりにくいのが難点。
心理カウンセリングに時間を割いてしっかり話を聞いてもらったのが功を奏したようです。
よかったですね!!
失恋でうつ病になる?チェックをしてみよう!―まとめ
いかがだったでしょうか?
失恋でも、うつ病になることがあるのです。
失恋して落ち込むのは全員、短期間のうつ状態になる方は過半数、その中で、2週間以上たっても立ち直れずうつ病に陥ってしまう方々が何割かおられるわけです。
まずはチェックリストで自分のうつ状態を把握しましょう。
高い点数が出たらいくつか他の「うつ症状テスト」も試してみてください。
うつ状態とうつ病は同じものではありません。
うつ病は放置して治るものではなく、悪化させてしまうので、早めに専門医を訪ねましょう。
失恋しても、あなたの人格を否定されたわけではありません。
今どれほど悲しくてつらくても、あなたは素敵な方です。
「自分は自分らしくあればいい」という自己肯定感は、失恋で壊れることはありません。
壊れないように失恋し、次の恋に進んでください。