「自分自身を肯定する感情」、自己肯定感が低いと、恋愛にも結婚にも苦労します。
自分に自信が持てず、対人関係を築きにくいのですから、言ってみれば当然ですよね。
現代は、誰もが自己肯定感を高く保ちにくい時代になっています。
この記事では、そんな時代にどのように恋愛していけばいいのか、自己肯定感が低くなる原因と恋愛・結婚への影響を書いています。
男女別の特徴について掘り下げ、脱却方法についても書いてみましたので是非ご参考にしてください。
それではいってみましょう。
自己肯定感が低い原因と恋愛への影響は?
自己肯定感とは、「自分自身を肯定できる感情」です。
「自分はこれでいい、長所がある、必要とされている」という認識。
自己肯定感が低いと、「自分はダメな人間だ」「誰からも必要とされていない」と感じてしまいます。
現代は自己肯定感を保ちにくい時代になっていますよね。
少数のセレブや成功者と比べて一般の人は「自分は負け組だ」と思い、同時に、芸能人など成功して見える人々も「自分はこれでいいのか」と内面では悩んでばかりです。
では、この自己肯定感が低くなる原因を見ていきましょう。
自己肯定感が低くなる原因
私たちは、いつも他人と比較される世の中に住んでいるからです。
どちらがリッチか、どっちが可愛いか、人気があるか、どっちが頭がいいか、偏差値が高いか、どちらの「いいね!」が多いのか。
ここで考えなければならないのは、「どちらがより幸せを感じているか」という基準はないことです。
自分が感じる幸せは人それぞれですから比較できません。
お金が無くても幸せかもしれませんし、人気がなくても構わないかもしれません。
それを、目に見える「物差し」で全員を測り比較しようとするから、取り残された人は劣等感を抱いてしまうのです。
中には、「世の中の物差しから外れても自分は大丈夫、幸せだ、これでいい」というしっかりとした自己肯定感を持った人もいます。
そうなれない原因を掘り下げていきましょう。
幼少期の体験
自己肯定感は、特に幼少期に育まれます。
誰でも赤ちゃんの時期は、泣いていてもどれだけ手がかかっても愛してくれる大人がいたはずです。
誰かが面倒をみてくれないと生きていけないのですから。
ここが自己肯定感のもとです。
そして、2、3歳児頃から自分というものに気付き始め(自我の芽生え)、親や養育者さんに本当に愛されているかどうかを確認していきます。
幼稚園、小学校と進むにつれて、ほめられたり認められたりして自分には価値があると感じたり、逆にいたずらして怒られて、「ちゃんと気にしてくれてる」と理解したり。
幼少期はそういう経験を積み上げて自分というものを作っていくのです。
その過程で、安定した家庭や養育環境がないと、子どもの心はすくすくと育ちません。
親に邪魔者扱いされたり、兄弟姉妹や他人と比べられて「ダメな子」と言われ続けたり、また過保護・過干渉に育てられても、子どもの自己肯定感は低くなります。
「もう○○ができるようになったの、すごいね!」と親が子どもをほめて育てること、実はとっても大切なのです。
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恋人や友人との行き違い
親は自分を好きでいてくれるのは当然かもしれません。
子どもが学校などの外の世界を体験するにつれて、他者との食い違いに出会います。
親しいと思っていた友達や恋人から強い批判や拒絶を受けると、そのショックが自己肯定感に傷を残します。
中には、最初から敵意を持って接してくる他人もいます。
「自分は思っていたよりできる子じゃなかった」「嫌われてる」と心がしぼんでしまうのです。
もちろん、自分に問題があると思う部分は直すべきですが、自分が全部悪いと思うのではなく、「人には人の考えがある」と受け流すことも身につけていきましょう。
コンプレックスがある
自分の容姿や能力にコンプレックスがあると、自己肯定感は低くなりがちです。
周囲の視線に敏感になってしまい、引っ込み思案にもなります。
容姿については、完璧な人などあり得ないので、「短所は個性、長所は美点だ」と考えて、自分を上手に見せることができるようになってください。
髪型、姿勢、歩き方、簡単なメイクなどでカバーできる点も多いですよ。
自己肯定感が低い場合の恋愛への影響
自分に自信がないからといって、仮面をかぶって恋愛はできません。
お互いが自分らしさを見せ合うところに恋愛は成り立つのですから。
自己肯定感が低いと、この根本の、「自分らしさを見てもらうこと」がうまくいかないのです。
自己肯定感の低い場合の恋愛の特徴
4つの特徴を列記します。
1. 恋愛に臆病になる
自分に自信がないのですから、ネガティブ思考になります。
気になる人がいても「どうせ嫌われてる」、好意を持ってくれる相手が現れても「きっと何かの間違い」と考えがち。
傷つくよりも独りでいようと思ってしまったりもするでしょう。
2. 相手のことを信じられない
自分が愛されているという自信を持てないので、相手を信用できません。
パートナーが他人に笑顔を向けるだけで激しく不安になり嫉妬してしまいます。
相手のスケジュールを管理しようとしたり、過度の連絡を求めて束縛してしまったり、尾行するなどの、ストーカー一歩手前に陥ることも。
そういった行動が、パートナーから「重い」「めんどくさい」と別れを切り出される原因になり、恋愛が長続きしません。
3. 自分の意見が言えない
相手の気に入る答えを出そうと、自分の気持ちより相手の考えを読もうとします。
常に相手の顔色をうかがってしまう状態になり、ビクビク、オロオロ。
素の自分を出し合えない恋愛関係は長続きしませんし、本当の恋愛とは言い難いです。
4. 相手に依存してしまう
自己肯定感が低い中、恋人だけは自分を認めてくれ、愛してくれたら、相手の存在が全てになってしまいます。
相手の言いなりになったり、尽くしすぎたり、自分の生活を後回しにしたり。
「彼に愛されている自分だから価値がある、それ以外に価値はない」と思い込んでいて、もし別れが訪れてしまったら、自分には何も残りません。
自己肯定感が低い原因と恋愛への影響は?男性の場合!
次に、性別に分けて考えてみましょう。
まず、自己肯定感の低い男性の恋愛について。
もちろん、世の中にはいろいろな男性がいるので、こうだと決めつけるのは良くないのですが、一般的にこういう傾向があるという話です。
男性を取り巻く環境
私たちは他人と比較される社会に住んでいると書きました。
特に男性は常に数字で比較され、誰が一番で誰がドベか、順位を付けられることが多いです。
それに対して毎日必死で戦い、タテに競争しているのが現代男性の姿ではないでしょうか。
英語でも「ペッキングオーダー」という表現があります。
雄鶏のうち誰が最初にエサをつついていいか、ということ。
ゴリラの世界でも、メスを得るのは群れの長の最強のオスだけ。
女性がパートナーを選ぶ時、自分を幸せにしてくれる相手かどうか考えますが、相手の性格や相性よりも、下記のような数字やデータを考慮してしまう人も多いのでは?
・クラスカースト
・偏差値/学歴
・年収
・職場での地位や昇進スピード
お金が無いと家庭を築くのも子どもを育てるのも大変です。
しかしながら、男性の価値は数字で測れるものではありません。
自己肯定感の低い男性への言葉
恋愛をする前から、自分を負け組だと思わないでください。
他人との比較に常時さらされているから、もう慣れっこになってしまっているかもしれません。
けれど、その比較の物差し、尺度は世間が勝手に決めたもので、あなたの人間性や個性を考慮したものではないのです。
あなたの自己肯定感が低いのは、過去の恋愛で傷ついたせいだとします。
それが、相手があなたの学歴や収入に不満があっただけだったらどう思いますか?
相手はあなたという人間をわかろうとしたわけではありません。
なら、傷つくほうがもったいないです。
心が優しくて社会生活に馴染めなかったり、冒険心や独立心が旺盛で、会社組織にハマりこめなかったりする、そんな個性的な男性も世の中にたくさんいます。
そして、そんな男性を探している女性だっているのですから。
世の中が勝手に決めているいい男の条件と自分を比較して、自信を喪失するのはやめてください。
それよりも、物差しは自分で決めてしまって、自分は何が得意なのか、どんな特技があるのか、どうやってそれを活かしていけばいいのか、を考えましょう。
筆者の体験談ーY先輩と私の自己肯定感
私は大学時代、部活で無理して微熱が続き、唇から頬にかけて広範囲の熱のハナを出しました。
その時一番優しく接してくれたのは、心臓に軽い欠陥のある男性のY先輩。
「見せて」と言われてマスクを恐る恐る外すと、「そんなの何でもないよ」と、すっとほっぺにキスされてしまって。
私がキョトンとしている間に、
「部活がそんなに負担になってるなら辞めたほうがいいかもね」と笑ってくれました。
辞めようかどうしようか悩んでいた私の気持ちもお見通し。
他の先輩や同期は、「早く治して復帰しろ」と言うだけだったのに。
生物学的に言えばY先輩は、最強にはなれないオスです。
でもその時の私が陥っていた敗北感や無能感を見事に癒してしまいました。
恐らくY先輩は子どものころから、自分の心臓の弱みを受け入れて、「でもこれが自分だ、自分はこれでいいんだ」と考えていたのだと思います。
自己肯定感を持っている人でした。
それに引き換え私は、「いつも頑張っていないと皆に見捨てられる。自分じゃなくなってしまう」と無理することで自己肯定感を保とうとしていました。
Y先輩のおかげで、「挫折したっていい、ゆるふわに生きてもいい」と思うことができたのです。
世間の基準ではなく自分基準
体験談のように、自己肯定感というものは、世間の基準に対して自分を肯定するのではなく、自分が自分を、自分の基準に合わせて肯定すればいいものです。
だから、焦らないで、自分の心の優しさや思いやりの目線、他人とは違う観点、本質を見極める洞察力、何でもいいのです、あなたらしいことを一つ見つけて「自分はこれでいい」と自信を持ってください。
心の中の「男はこうでなくちゃならない」「こうあるべきだ」を一つずつ減らしていきましょう。
「それって誰が決めたの?」「オレはこうなんだけど、それって本当にダメなこと?」と立ち止まって考えみるのです。
すると、自分が楽に笑顔でいられ、周囲に目を配れることに気付けますよ。
そして恋をしたら、「自分にはこんな欠点がある、でもこんな長所もあるんだよ。オレのこと、知ってみないか?」と言えるようになってください。
昔は女性の幸せは配偶者の社会的地位や収入に左右されました。
でも今では自分の仕事を続けることもでき、女性が配偶者を選ぶ基準はどんどん変わり、多様化しています。
いろいろな男性にチャンスがあるということですから。
男性の恋愛への助言
相手の考えを読んでから発言しようとしないほうがうまくいきます。
女心はわからないという前提から始めましょう。
わからないから、「オレってあり?なし?」と冗談っぽく聞いてしまったらどうでしょうか?
欧米では告ることがそれほど大げさに扱われません。
試しにカフェや食事に誘い、お互いが手探りで進んでいく感じ。
自己肯定感が凹んでいるときは特に、日本型の「告白!」は大変ですし、フラれた時にはよほど痛手を受けます。
失敗は嫌だから黙っていようとするよりは、前もって軽く聞いてしまうか、「応援してるから」みたいな言葉で見守っていることを相手に伝えてあげてください。
自己肯定感が低い原因と恋愛への影響は?女性の場合!
男性がタテ型の競争をするとしたら、女性間の競争は、ヨコ型です。
とりあえずみんなと歩調を合わせて、酷く外れないように、というスタートラインがあります。
恋愛も一緒。
みんなそこそこ可愛くて、ある程度勉強ができて、お稽古事も経験していて、お料理も含め家のことが一通りできるべきだと思われていますよね。
逆に、個性の強い女性は敬遠されたりします。
大学院や博士号を取る頭のいい女がモテるわけでも、名家のお嬢さんがモテるとも限りません。
音楽家やファッションデザイナー、バイリンガルなど、自分の専門分野をつきつめる女性は家庭には不向きと言われたり、男性に煙たがられたり。
言ってみれば、自分の特技を活かして自己肯定感を高めても、男性に求められるとは限らないのです。
となると、横並びに可愛い女の子たちの中で、自分はどうやって自己肯定感を保ちながら恋をしていくのか、迷ってしまうのもわかりますよね。
恋愛に傷ついて自己肯定感が凹んだときに、他のことで自己肯定感を取り戻して立ち直るのが難しく、泥沼にハマりやすくなります。
自己肯定感の低い女性にありがちな症状
自分に自信がないと、相手に捨てられるのではと不安にさいなまれます。
その分、彼氏の顔色をうかがい下記のような特徴を表します。
・彼氏に依存する重たい女
・彼氏を束縛する女
・子供っぽく可愛くみせて媚びる女
・尽くしすぎる女
・彼氏の言いなりになる女
・すぐ身体の関係になってしまう女
本来の恋愛に近づく方法
自己肯定感が低い状態で、相手のご機嫌を取る恋愛は本物ではありません。
自立できず、自分の個性も殺して、ムリして彼氏の言うことを聞くのは、自己肯定感を自分で低めていることになります。
となると、このような恋愛を続ける限り、あなたは本当の、愛し愛される関係には近づけないのです。
自己肯定感を鍛える練習
自己肯定感を高める最初の一歩は、「イエス・ノー」「好き・嫌い」を口にすることです。
普段の会話で何か質問をされたときに、「はい、○○です」「いいえ、○○ではありません」と答えてみてください。
「うん・ううん」でも構いません。
「え~」「えっと~」「……」ではなく、聞かれた瞬間に自分の直感で、「うん」か「ううん」かで答えてみるのです。
自己肯定感を鍛える練習です。
「好き・嫌い」のほうは、書き出してみてください。
ノートの上の見出しに、例えば「食べ物」と書き、左側に好きなもの、右側に嫌いなものを書いていきます。
小説、映画、景色、花、動物、スポーツ、隙間時間の過ごし方、何でも思いつく限り続けてください。
上に書いたような、自己肯定感の低い女性の症状が出てしまっている人は、日常的に本来の自分から目を背けていたり、自分で自分を欺いています。
その作ってしまった殻を破る心のエクササイズです。
自分の個性、才能はしっかりと育てながら、そして特技は男性を怖気づけさせないよう「能ある鷹は爪を隠す」などしながら、柔らかく笑っていられるように。
自己肯定感が低い原因と恋愛への影響は?結婚について!
自己肯定感が低いと、男性も女性も恋愛に苦労すると書いてきました。
恋愛に引っ込み思案になりがちですし、恋人ができても、ありのままの自分を見せられなかったり、お互いの生活と恋愛のバランスを取れなかったりして破局に陥りがちです。
結婚となるとさらにまたいろいろな問題がでてきます。
ありきたりな表現になりますが、結婚すると、外の世界に対してふたりはタッグを組んで家庭を維持していかねばなりません。
華々しい結婚式を挙げてハッピーエンドではないのです。
片方が遠慮して意見を言えなかったり、相手のお荷物になったり、隠し事をしていたりでは成り立ちません。
長い人生の道のりを、ふたり悩みながら、仕事がうまくいかなかったり、義父母と揉めたり、病気になったりもしながら、何とか歩き続けていくのです。
子どもが生まれて子育てするにあたっても、自分に自信が無かったら子どものしつけに「ダメ!」と言えません。
結婚するまでにしっかりと自己肯定感を養っておく必要があるのです。
予想できる、自己肯定感が低い人の結婚への影響
結婚にこぎつけるのも、維持するのも大変です。
・恋愛が苦手になり結婚に踏み切れない
・結婚できなくて自己肯定感がさらに低くなる
・妥協して結婚してしまう
・収入が減ると愛想を尽かされると思って体調が悪くても無理をする
・リストラにあっても家族に言えず、ホームレスになる
・家事や子育てを独りで頑張ってしまい身体を壊す
・子どもの自己肯定感を高める家庭環境が保てない
結婚に向けての自己肯定感の高め方
上に書いた、恋愛中の自己肯定感の取り戻し方をまず参考にしてください。
・世間の基準に合わそうとしない
・イエス/ノーを口に出して言ってみる
・物事の好き嫌いを書き出してみる
そして、
恋人を求める前に、友人の輪を広げる
特に異性の同僚、友人とも話してみる。人に慣れましょう。
話してみれば、誰もが鉄壁の自己肯定感など持っていないことがよくわかります。
グループ参加の婚活を活用する
婚活パーティや、体験講習型の結婚相談所のイベントのような、グループで参加して楽しめるものを経験してみてください。
異性と一緒に何かをすることは、思いのほか意義があります。
そしてすぐに恋人や婚約者ができなくても、「今は自己肯定感復活期間」と考えて、気楽に笑顔で過ごせれば、縁は向こうから寄ってきてくれるものですから。
オンライン婚活やマッチングアプリなどは使い方次第
ネット上と実際に顔を合わせたときに、「何か違う」「生理的に違和感がある」と感じることもあるので、期待し過ぎないことですね。
幸せな結婚に向けて
ふたりの結婚生活の理想形を話し合いましょう。
結婚生活の成功には、ふたりの対話の有無が不可欠。
お互いが聞く耳を持ち、話す言葉を大切にしてくださいね。
愛してくれる相手がいるというのは、自己肯定感を高めてくれます。
甘えっぱなしではいけませんが、褒め合いながら、悪いところは指摘し合いながら、お互い成長していきましょう。
その過程を幸せと呼ぶのです。
自己肯定感が低い原因と恋愛への影響は?男性と女性の違いや結婚について!―まとめ
自己肯定感は、幼児期の体験、過去の恋愛の失敗、コンプレックスなどから低くなります。
それも他人と常に比較される現代なので、高く保つのは難しいです。
男性は特に数字で比較され順位付けをされがち。
女性はあまりに個性を伸ばすと敬遠され、自己肯定感が低いままで恋愛を続けてしまいがち。
自分の長所に目を向け、好きなこと嫌いなことを把握し、イエスノーを言えるようになる練習をしましょう。
結婚は恋愛を続けるより大変です。
自分はこれでいいんだ、こうやって生きていくんだ、ふたりの生き方はこうなんだ、と言えるようになって、幸福を掴んでください。
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